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第8回:820万戸の空き家時代に問う“-量から質”へ、不動産業が進むべき本当の道

前回(第7回)では、松下さんが2020年のコロナ禍をきっかけに法人化し、サービスを軌道に乗せていくまでの過程を伺いました。未曾有の状況下でどんな壁に直面し、どのように突破口を見出していったのか。そして終盤では、不動産業界のこれからに向けた展望にも触れ始めました。

第8回では、その展望をさらに深掘りし、「空き家問題」「少子高齢化」「働き方の変化」など、今まさに業界が直面している構造的課題を取り上げながら、不動産業が“量”から“質”へと進化する必要性についてお話を伺っていきます。


松川: 今回のテーマは、「量から質へ」の転換です。空き家や高齢化、働き方の変化など、不動産業界はこれまでにない変革期を迎えていますよね。

松下: そうですね。特に空き家の増加は深刻です。総務省の調査では、2023年の空き家は約820万戸、空き家率は13.8%に達していて、もはや社会課題と言っていいレベルです。

※総務省統計局「2023年住宅・土地統計調査(速報)」 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

松川: 以前は「とにかく供給すれば売れる」時代でしたけど、今はそうじゃないんですね。

松下: まさに。人口も減ってきていますし、「誰に、どんな価値を届けるか」という視点がこれからは欠かせません。量よりも“質”が求められているんです。


高齢化社会はネガティブではなく、日本の強みになり得る

松川: “質”という観点でいうと、少子高齢化も大きな要因ですよね。

松下: はい。高齢化はネガティブな話として語られがちですが、逆に世界に先駆けてシニア層が活躍できる社会を築けるチャンスだと思っています。

松川: 新しい社会モデルとして日本がリードできる可能性もありますね。

松下: そうなんです。健康寿命が延びるなかで、「高齢者が快適に、アクティブに暮らせる空間づくり」はこれからの不動産の重要なテーマになると思います。


不動産業界が直面する“構造変化”

松川: 実際に現場ではどんな課題が見えてきていますか?

松下: 空き家、老朽化、リモートワークの普及によるオフィスの再定義……課題は多岐に渡ります。加えて、建築資材や人件費の高騰、法改正の影響など、構造的な転換を迫られています。

松川: オフィスのあり方も大きく変わってきましたね。

松下: そうですね。もはや“立地”や“広さ”だけではなく、「どんな働き方を支えられるか」が問われている。つまり、不動産は“機能”の提供に進化しているんです。


「量から質へ」──暮らし方のカスタマイズが求められる時代

松川: 今、不動産のあり方そのものが見直されている感じがします。

松下: 大量供給の時代は終わりを迎えました。これからは「その人らしい暮らしにどう応えるか」が重要です。オーダーメイド住宅やリノベーション、スモールオフィスやセカンドハウスといった選択肢がますます求められるようになります。

松川: つまり、“どこに住むか”ではなく、“どう暮らすか”が主役になってきている、と。

松下: その通りです。不動産はモノではなく、ライフスタイルを叶える“器”として再定義されていくと思います。


次回予告

松川: 今回は「量から質へ」という転換を軸に、不動産業の変化を深掘りしました。次回はさらに、シェアやサステナブルの視点からも掘り下げていければと思います。

松下: ええ、今起きている価値観の変化は、不動産の“使い方”にも直結していますからね。そのあたり、ぜひお話しできればと思います。

松川: 楽しみにしています!