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蛇口が噴水?ガス臭で換気扇はNG?駆けつけ現場のリアルを公開します

松川 今日は、緊急駆けつけコールセンターの統括マネージャーで、現場のリアルを知り尽くしている佐藤さんに、緊急駆けつけの実情をじっくり伺いたいと思います。

佐藤 現場で起きたことをそのままお伝えします。


1. 水回り――止水栓でも止まらなければ元栓を閉める

松川 蛇口が噴水のようになったとき、最初の一手は?
佐藤 止水栓を閉めます。それでも止まらなければ、その部屋の元栓を閉めます。

松川 何か印象的なトラブルやヒヤリとした経験は?
佐藤 漏水ですね。「上の階から水が漏れてきている」という通報がほとんどですが、原因は上階にあることが多いので必ず上の部屋も訪ねて止水栓を確認します。不在なら元栓を閉め、ポストに「緊急で水を止めました」と手紙を入れます。電気系統に水が回ると感電・火災の危険があるので時間との勝負です。

松川 階下対応だけでは根本解決にならない、と。
佐藤 はい。下の部屋では養生シートを敷いたり吸水パッドを渡したりしますが、水源を止めなければ被害は続きます。


2. ガス―まず窓!換気扇NGの理由

松川 ガスのトラブルで気をつけることは何かありますか?
佐藤 ガス臭がするときにやりがちですが危険なのが換気扇を回すことです。古い換気扇はスイッチで火花が散る可能性があります。正解は「窓を開けてガス栓を閉める」。着火装置や電気スイッチには触れず、ガス会社と駆けつけ業者に連絡してください。


3. ガラス――ひびと大穴で応急処置が違う

松川 台風や地震でガラスが割れたら?
佐藤 基本的に、ガラスが割れたら大変危険なので破片には触れず、専門業者を待ってもらいます。保険対応になることが多いので、現状写真を残すようお願いしています。


4. 建具――玄関解錠のあとトイレ救出

松川 建具で印象的なトラブルは?
佐藤 建具は基本的に緊急性が高くない事案が多いですが、頻度は多くないもののトイレの閉じ込めは緊急性が高いです。ドアの隙間から細い針金や紙を差し込み、ラッチ(ドアノブをひねると出入りする部分)を押し上げて開放します。

これはご自身でも道具があれば可能ですが、トイレの中にちょうどいいものがない場合が多いです。SOS を受けても玄関が施錠されていることが多いので、まず鍵業者が玄関を解錠して、その後トイレのドアを開放します。

松川 トイレに閉じ込められたとき、建具トラブルと気づかずに駆けつけ業者を呼ばないこともありそうです。覚えておかないと。


5. 鍵―開錠費用より“取りに帰る”方が安いことも

松川 鍵を忘れたケースで多いのは?
佐藤 実家や職場に鍵を置き忘れるケースが多いです。取りに戻るのが面倒で解錠を依頼されますが、自宅にスペアキーがないと、その後外出したいときに施錠できず再トラブルになる点もお伝えします。

松川 それは盲点でした。他に注意点は?
佐藤 電子錠や一部の鍵は業者でも開けられない種類があります。その場合は近隣ホテルの宿泊費を補助するサービスを案内することもあります。また、火災保険で鍵開け費用をカバーできる場合もあるので、ご自身の保険内容を確認してください。

松川 保険でカバーできることもあるんですね。もし保険にも駆けつけサービスにも加入していない場合は?
佐藤 ご自身で鍵の業者を探すしかありませんが、鍵の種類によってはかなり高額です。鍵の場所がわかっているなら取りに行くか、深夜であれば一度ホテルに泊まって翌日取りに戻るほうが結果的に安く済むことも多いので、よく考えてから依頼するのがベストです。


6. 電気――停電は断水も招く

松川 印象に残っている電気トラブルは?
佐藤 停電で電気が復旧しても、屋上の貯水槽ポンプのブレーカーが落ちて全館断水になることがあります。水が戻らない場合はポンプ室のブレーカーを上げ直す必要があります。

また、コンセントから火が出ているという連絡をいただくことがありますが、その際はまず119 番通報が最優先です。