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お知らせ

第5回:上場企業のジレンマと“社会的使命感”―芽生えた新たな決意

前回は、独壇場を経て競合が増えたことで業界の認知度がさらに広がり、価格やサービスの差別化が進んでいった様子を紹介しました。
第5回となる今回は、上場企業としての信用や資金力を得る一方、リスクテイクとの両立に悩む“ジレンマ”にフォーカスします。
その中で、当社代表・松下がいかに
“社会的使命感”を覚え、自らの道を切り開いていったのか -具体的なエピソードを伺います。


1) 「上場企業になったからこそ得た“社会的信用”――不動産管理会社も安心するモデルへ」

松川
「ここからは、上場企業が参入してきた時期の話や、松下さん自身が前の会社で上場企業ならではの経験をされたときのお話を伺いたいと思います。まず、上場による業界へのインパクトはどんなものでしたか?」

松下
「私が前の会社に入社したときには、すでに新興市場に上場済みでしたが、後に東証一部(当時の呼称)へ市場変更するプロセスにも立ち会いました。当時はITバブルもあり、新興企業が次々上場する時代で、会社の時価総額が300億円ほどになったとも聞いています。“生活トラブルを解決する”ビジネスモデルが金融市場で一定の評価を得始めていたんですね。

また、会員制で先に利用料を受け取る形ゆえに、不動産管理会社からすると『上場企業なら途中で消えるリスクが低そうだ』と判断されやすく、提携が進んだ側面も大きかったです。」


2) 「リスクと成長は両立できる? 上場企業にいるからこそ感じたジレンマ」

松川
「上場企業は社会的信用や資金力の面で有利だと思いますが、毎期ごとの利益拡大とリスク抑制を同時に求められる難しさもありますよね?」

松下
「そうですね。『ベンチャー的に攻めないと伸びない』一方で、上場企業は『リスクマネジメントを徹底し、株主に安定を示さなきゃいけない』-この相反する要素を両立するのは大変でした。会員の先払い資金をどう再投資してサービス拡張するか、どこまでチャレンジできるかなど、現場ではもっと思い切った施策を試してみたい気持ちがあっても、なかなか難しかったですね。」

松川
「そこで、現場感覚とのギャップを強く感じたと?」

松下
「ええ。退去時のメンテナンス不備や夜間クレームなど、まだまだ放置されている課題は多いと痛感していました。“これを解決するには新しい仕組みが必要だ”と思っても、上場企業としては確実性やリスク管理を優先しがち。そこに強いもどかしさがありました。」


3) 「“もっと良くしたい”――社会的使命感が芽生え、独立を決意した瞬間」

松川
「つまり、上場企業の組織にいることで得られる信用や安定がある一方、“業界の本質的な課題”を大胆に解決しきれないという焦燥感が募った感じでしょうか?」

松下
「そうですね。私自身、『入居者や不動産管理会社が本当に困っている部分はまだ手付かずだ』と強く感じていました。でも、上場企業では利益拡大や株主への説明責任があり、なかなか大胆に動けない。
最終的には、“それなら自分で新しいサービスを立ち上げるしかない”という考えに至ったんです。言い方は大げさですが、“社会的使命感”に近いものが芽生えましたね。現場で見えた問題を何とか解決したかったんです。」

松川
「なるほど。その使命感が“独立”へ向かう大きな一歩になったのですね。」


【次回予告】

松川
「上場企業としての強みと、ベンチャー時代のような自由さやリスクテイクとのはざまで、松下さんが“もっと良くしたい”という使命感を持つに至った -まさに“上場企業のジレンマ”を体感されたわけですね。
次回は、いよいよ松下さんが独立するまでの経緯や、その際に立ちはだかった壁、さらなる『業界の未来』への展望などを詳しく伺いたいと思います。」

松下
「はい。自分がやりたいことと会社としての責任の両立に悩んだ結果、独立を決断した背景など、次回はもう少し深くお話しますね。よろしくお願いします!」